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2025年4月号

ニューストピックス


■海外サーバでも日本の特許権保護、ドワンゴの勝訴確定(最高裁)
■知財侵害物品、輸入差し止めが過去最多(財務省関税局)
■AI技術の発達と特許制度、今後の対応で論点示す(特許庁)
■音楽教室の著作権使用料で合意(日本音楽著作権協会;JASRAC)

●海外サーバでも日本の特許権保護、ドワンゴの勝訴確定(最高裁)
日本国特許第6526304号(発明の名称:コメント配信システム)を所有して動画配信サービス「ニコニコ動画」を運営するドワンゴが、動画投稿サイトを運営する米国のFC2に対して、特許権に基づいて配信差し止めや損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は、FC2側の上告を棄却しました。これにより、FC2側の特許権侵害を認め、賠償や配信差し止めを命じたドワンゴ側勝訴の2審・知財高裁判決が確定しました。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/839/093839_hanrei.pdf

ドワンゴ特許は、動画及び動画に対してユーザが書き込んだコメントを表示する端末装置と、当該端末装置に当該動画や当該コメントに係る情報を送信するサーバとをネットワークを介して接続したシステムに関するもので、動画上に表示されるコメント同士が重ならないように調整するなどの処理を行い、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性の向上を図るものです。FC2側は、米国内で、ウェブサーバ、コメント配信用サーバ及び動画配信用サーバを設置管理し、ウェブサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、HTMLファイル及びプログラムを格納したファイル(JavaScriptファイルなど)を配信していました(本件配信)。

我が国の領域外に所在するサーバと我が国領域内に所在する端末とを含むシステムを構築するFC2側の行為が我が国の特許権を侵害するかが問題になっていました。

最高裁は、「我が国の特許権の効力は、我が国の領域内においてのみ認められるが、電気通信回線を通じた国境を越える情報の流通等が極めて容易となった現代において、サーバと端末とを含むシステムについて、当該システムを構築するための行為の一部が電気通信回線を通じて我が国の領域外からされ、また、当該システムの構成の一部であるサーバが我が国の領域外に所在する場合に、我が国の領域外の行為や構成を含むからといって、常に我が国の特許権の効力が及ばないとすれば、特許権者に業として特許発明の実施をする権利を専有させるなどし、発明の保護、奨励を通じて産業の発達に寄与するという特許法の目的に沿わない。そうすると、そのような場合であっても、システムを構築するための行為やそれによって構築されるシステムを全体としてみて、当該行為が実質的に我が国の領域内におけるものに当たると評価されるときは、これに我が国の特許権の効力が及ぶと解することを妨げる理由はないというべきである。」としました。

海外にサーバを置いて提供されるサービスの特許権侵害を最高裁判所が認めたのは初めてです。

●知財侵害物品、輸入差し止めが過去最多(財務省関税局)
財務省は、2024年に全国の税関が知的財産権を侵害する偽ブランド品などの輸入を差し止めた件数が3万3019件で、過去最多を更新したと発表しました。

https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2024/index.html

財務省関税局によると、輸入差し止め件数は、前年比4.3%増となり、過去最多を更新しました。中国からの差し止め件数が全体の8割を占めています。権利別でみると、偽ブランド品などの商標権侵害物品が3万1212件(構成比93.6%、2.5%増)で、引き続き全体の約9割を占め、次いで偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品が1380件(構成比4.1%、59.9%増)でした。

●AI技術の発達と特許制度、今後の対応で論点示す(特許庁)
特許庁の特許制度小委員会は、AI技術の発達を踏まえた特許制度の今後の対応をめぐり論点を示しました。

https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/tokkyo_shoi/document/52-shiryou/01.pdf

主な項目は下記の通り。
(1) 発明該当性
・人がAIを利用して生成した発明は、特許法に規定する「発明」に該当するか。AI発明(AIが自律的にした発明)についてはどうか。
(2) 発明者
・AIを利用して生成した発明の発明者の認定は、従前と同様で良いか。
・人の関与があるが発明者が存在しないという事態が生じ得る場合、当該発明は特許法で保護されるか。権利の帰属主体は誰か。
・AI発明に対して、AIを発明者として認めるべきか。
・出願する際に発明者を偽り得るところ、これは問題か。問題とする場合、どのように対応をするか。
(3) 引用発明適格性
・AIを利用して生成した資料・論文等は、新規性・進歩性の判断の根拠(引用発明)となるか。
・引用発明と認定するために満たすべき要件や基準が必要となるか。
(4) 新規性・進歩性
・「当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)」の考え方等に影響があるか。
・「公知」の考え方に影響があるか。
(5) 記載要件
・ 記載を求める事項や程度を変更すべきか。

●音楽教室の著作権使用料で合意(日本音楽著作権協会;JASRAC)
日本音楽著作権協会(JASRAC)は、音楽教室のレッスンに関わる著作権使用料について、音楽教室の運営事業者で構成する「音楽教育を守る会」と合意したと発表しました。

https://www.jasrac.or.jp/information/release/pdf/250228.pdf

新たな規定では、音楽教室事業者がJASRACに支払う使用料は、受講者1人当たり年額750円、中学生以下は同100円。個人経営の教室は使用料徴収の対象外。新規定は4月から運用が開始されます。音楽教室の著作権使用料を巡ってはJASRACが2017年、徴収の方針を表明。これに対し、教室側は徴収権限がないとして提訴しました。22年の最高裁の上告審判決では、教師の演奏は徴収可能とする一方、生徒の演奏は徴収できないと判断しました。

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