2025年6月号
ニューストピックス
■「シャウエッセン」のストライプ柄が「位置商標」に(日本ハム)
■特許・意匠・商標のFA期間と権利化までの期間(特許庁)
■著作権者不明な著作物の利用手続を簡素化(改正著作権法)
●「シャウエッセン」のストライプ柄が「位置商標」に(日本ハム)
日本ハム株式会社は、あらびきウインナー「シャウエッセン」のストライプ柄が、「位置商標」として登録されたと発表しました。
https://www.nipponham.co.jp/news/2025/20250422/
(登録第6914670号)
位置商標とは、商品や包装に付される図形などの標章の位置が特定された商標で、2015年に導入された新たなタイプの商標です。標章が常に同一の位置に付されて長年使用されることにより、パッケージにロゴやブランド名がなくても識別性を獲得することができます。「シャウエッセン」は1985年に発売され、今年で40周年となるロングセラーブランド。発売当時からストライプ柄を基調としたデザインが特徴的であると説明されています。食品の位置商標では、キューピーマヨネーズの赤い「網目」(登録第5960200号)や日清食品のカップヌードル(日清食品の登録商標)の上下帯型(通称:キャタピラ)の図形(登録第6034112号)などがあります。
●特許・意匠・商標のFA期間と権利化までの期間(特許庁)
特許庁より「ステータスレポート2025」が公表されました。今回は同レポートの中から特許・意匠・商標のFA(First Action)期間と権利化までの期間などを紹介します。なお、特許のFA期間は、審査請求日から審査官による審査結果の最初の通知(主に拒絶理由通知書又は特許査定)が出願人へ発送されるまでの期間です。意匠・商標のFA期間は、出願日から審査官による審査結果の最初の通知が出願人へ発送されるまでの期間(ただし、新しいタイプの商標及び地域団体商標に係る出願を除く。)です。
<特許>
・通常審査のFA期間:平均9.4月
・権利化までの期間:平均13.8月
・早期審査のFA期間:平均2.3月
・スーパー早期審査のFA期間:平均0.8月
<意匠>
・通常審査のFA期間:平均6.0月
・権利化までの期間:平均6.8月
・早期審査のFA期間:平均2.1月
<商標>
・通常審査のFA期間:平均6.1月
・権利化までの期間:平均7.3月
・早期審査のFA期間:平均1.7月
●著作権者不明な著作物の利用手続を簡素化(改正著作権法)
政府は、著作権者が不明などの著作物の利用手続を簡素化する改正著作権法を、2026年4月1日に施行することを閣議決定しました。今回の改正によって、利用されずに埋もれている著作物を円滑に二次利用できる「未管理著作物裁定制度」の運用が始まります。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/chosakukensha_fumei/tyosakubutsu/index.html
同制度は、著作権者と連絡が取れないものや、著作権者がわからないものなどについて、文化庁長官の裁定(利用許諾)により、利用者が補償金を支払うことで合法的に利用可能とするものです。これにより、著作権者への対価還元や利用ニーズの発掘といったメリットがあるとされています。