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2024年7月号

ニューストピックス


■国際標準化めぐり新国家戦略(知的財産推進計画2024)
■AI技術の国際競争が激化(令和6年版科学技術白書)
■iPS特許の使用めぐり研究者と理研が和解

●国際標準化めぐり新国家戦略(知的財産推進計画2024)
政府の知的財産戦略本部は、「知的財産推進計画2024」を決定しました。同計画では、国際標準化のルール形成に日本として積極的に関与するため、総合的な国家戦略を2025年春をめどに整備する方針を明記しました。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/chitekizaisan2024/pdf/siryou2.pdf

国際規格は、国際標準化機構(ISO)などの国際機関が、品質管理や互換性確保を目的に製品や部品の標準仕様を定めています。日本企業にとって自社の技術に適合する国際規格が採用されれば、国際競争力の向上につながります。米国、中国、欧州連合(EU)は、すでに国家戦略を策定しています。日本は知財戦略本部が2006年に「国際標準総合戦略」を策定しましたが、最新の国際情勢を踏まえ、官民連携で取り組む新たな国家戦略が必要と判断しました。

●AI技術の国際競争が激化(令和6年版科学技術白書)
文部科学省は、「令和6年版科学技術・イノベーション白書」を公表しました。

https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa202401/1421221_00019.html

今年の白書では、人工知能(AI)の研究開発を巡る国内外の動向やAIを活用した科学研究の取り組みなどを特集しています。白書によると、AIに関する論文数は、世界で2010年以降3倍以上になり、高度化するAI技術の国際競争も激化しています。こうした中、日本では、強みである自動車やロボット工学の分野でAIを活用した研究開発が進められています。具体的な事例として生成AIを活用した自動車のデザインなどが紹介されています。

●iPS特許の使用めぐり、研究者と理研が和解
iPS細胞(人工多能性幹細胞)から網膜の組織を作る技術の特許をめぐり、技術を開発した研究者が、特許権を保有する企業に対して特許技術を利用できるよう経済産業相に裁定を求めていた問題で、研究者側は、企業との間で和解が成立し、一部の治療について特許が利用できるようになったと発表しました。

https://www.vision-care.jp/news/20240530/

理化学研究所の元研究者の高橋政代氏が開発した技術の特許権は、理化学研究所や東京のベンチャー企業などが持っていますが、当初の予定どおり治験が始まらなかったため、独自に治験を進めようと、自らベンチャー企業を立ち上げて特許の利用を認めるよう求めたものの、企業側との交渉が進まなかったということです。高橋氏は発明者ではありますが、特許権を持っていないため、2021年、「公共の利益」を理由に、自らが代表を務めるベンチャー企業「ビジョンケア」(神戸市)も特許が使えるよう、国に裁定を請求しました。裁定とは、特許法に基づき、本来は国が保護すべき財産権である特許を、特許権者とは別の第三者が使うことを国が認める制度です。この裁定制度は、以前から特許法に規定されているものですが、これまでに適用された例が見当たらず、伝家の宝刀と言われてきました。今回の事案は非常に珍しいものであるといえます。

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