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2025年2月号

ニューストピックス


■AI開発者も共同発明者として認めるか検討(政府)
■意匠法条約が採択
■改正意匠法に基づく関連意匠の出願状況(特許庁)
■標準必須特許の使用料めぐり中国をWTOに提訴(EU)

●AI開発者も共同発明者として認めるか検討(政府)
城内実・内閣府特命(知的財産戦略、科学技術政策)担当大臣は、発明に貢献したAI開発者が「発明者」として認められるか否かなどの論点について検討を開始する旨を表明しました。

https://www.gov-online.go.jp/press_conferences/minister_of_state/202501/video-292491.html

現在の特許法では、「発明者は自然人に限る」として、AIそのものは発明者として認めていません。AIが特許法で規定された「発明者」に該当するかどうかが争点となった「ダバス事件」では、日本を含む多くの国で、発明者を自然人に限定するという判決が下されています。この事件を契機に現在、各国でAI発明の法的取り扱いが議論されています。今後、AIを用いた発明がより広範囲において出願されることが予想される中、政府は、国際的な知財制度の動向を注視しつつ、特許法の解釈の変更も含めた対応を検討しています。

●意匠法条約が採択
サウジアラビア・リヤドでこのほど開催された外交会議で、「意匠法条約」が採択されました。

https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/wipo/riyadh-design-law-treaty.html

この国際条約は、各国で異なる意匠登録、出願手続を調和・簡素化することにより、出願人の負担を軽減することを目的としています。特許法条約(PLT)と商標法条約(STLT)に次ぎ、意匠法条約(DLT:Design Law Treaty)が採択されたことにより、産業財産権の主要3法に関する国際条約がすべて確立されたことになります。

条約には、グレースピリオド(新規性喪失等の例外)や出願・登録意匠の非公表の維持(秘密意匠制度)、手続期間を徒過した場合や権利を喪失した場合等に一定の条件下で提供される救済措置などが盛り込まれています。
【条約の主な内容】
(1) 出願及び申請時に官庁が課すことができる要件
(2) グレースピリオド(新規性喪失等の例外)
(3) 出願・登録意匠の非公表の維持(秘密意匠制度)
(4) 手続救済措置
(a) 官庁が指定する手続期間の延長
(b) 意匠出願又は登録に関する権利回復
(c) 優先権主張の訂正・追加
(d) 優先権回復
本条約は、15の国又は政府機関が批准書又は加入書を寄託した後3か月で効力を生じることになっており、日本で批准する際には意匠法の改正が行われる予定です。

●改正意匠法に基づく関連意匠の出願状況(特許庁)
特許庁は、改正意匠法に基づく関連意匠の出願状況を公表しました。それによると、本年1月6日時点において、19,697件(本意匠の公報発行前の出願が15,816件、本意匠の公報発行後の出願が3,881件)の関連意匠が出願されました。

https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/document/isyou_kaisei_2019/shutsugan-jokyo.pdf

関連意匠は、デザイン開発において一つのコンセプトから多くのバリエーションの意匠が継続的に創作されるという実情に基づき、同一出願人による一群のデザインを同等の価値を有するものとして保護することを目的としたものです。本意匠の意匠公報発行後(基礎意匠の出願から10年を経過する日前まで)も関連意匠の出願が可能です。この制度を利用することで、当初製品投入後に追加的にバリエーションを開発し、一群のデザインとして包括的に意匠権を取得することもできます。

●標準必須特許の使用料めぐり中国をWTOに提訴(EU)
欧州連合(EU)の欧州委員会は、中国政府がEUの標準必須特許(SEP:standard essential patent)をめぐり、特許使用料を不当に引き下げているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表しました。

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_293

欧州委員会によると、中国企業は、通信技術などのハイテク分野で不当に低い標準必須特許使用料で欧州企業の技術を利用しており、WTO協定違反に当たるとしています。「標準必須特許」とは、標準規格に準拠した製品の製造やサービスの提供を行う際に必ず実施することとなる特許権です。通信分野では高速大容量規格の「5G」技術などが該当します。欧州にはエリクソン(スウェーデン)やノキア(フィンランド)といった世界的な通信機器メーカーが「5G」に関連する特許を多く保有していますが、中国政府は、特許権者の承諾を得ないまま特許使用料を低く設定しているとしています。中小企業庁の参加により中小企業庁の「知財Gメン」との情報共有を促進し、大企業と中小企業の知財取引の実態把握を強化します。また「よろず支援拠点」とINPIT知財総合支援窓口、日本弁理士会の各地域会、商工会議所の経営指導員などが共に協力し、中小企業が抱えるさまざまな経営課題の解決に向けて、知財面も含めたシームレスで質の高い支援を提供するとしています。

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