2023年1月号
ニューストピックス
■「ビジネス関連発明」の最近の動向を公表(特許庁)
■世界の特許出願件数が過去最高に(WIPO)
■PCT国際出願関係手数料改定について
●「ビジネス関連発明」の最近の動向を公表(特許庁)
特許庁は、「ビジネス関連発明の最近の動向について」の調査結果を公表しました。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/biz_pat.html
「ビジネス関連発明」の用語については、公式な定義があるわけではありませんが、ビジネス方法がICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を利用して実現された発明のことを指す場合が多いようです。特許は技術を保護する制度であるため、販売管理や生産管理など、ビジネスの方法や仕組みに関する画期的なアイデアを思いついたとしても、アイデアそのものは特許の保護対象になりません。ただ、このようなアイデアがICTを利用して実現された場合には、「ビジネス関連発明」として特許の保護対象となり得ます。特許審査においてはコンピュータソフトウェア関連発明に含まれるものとして取り扱われています。調査結果によると、国内のビジネス関連発明の特許出願件数は2012年頃から増加に転じており、2020年は11,747件の出願がありました。出願件数が増加している背景としては、スマートフォンやSNSの普及、AIやIoT技術の進展により、ICTを活用した新たなサービスが創出される分野が拡大していることなどが考えられます。特に「金融」(フィンテックを含む)分野では、出願件数が増加しています。スマホ決済や家計簿アプリといったユーザがスマホを介して気軽に受けられる金融サービスが増えているためです。
●世界の特許出願件数が過去最高に(WIPO)
世界知的所有権機関(WIPO)が発表した「世界知的財産指標(WIPI)」によると、2021年の世界の特許出願件数は約340万件となり、前年比3.6%の増加となりました。2年連続の増加で、2018以来3年ぶりに過去最高を更新しました。
https://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2022/article_0013.html
国別では中国が158万件で1位となり、世界全体の5割近くを中国の出願が占めています。2位は米国(59万1473件)、3位は日本(28万9200件)、4位は韓国(23万7998件)、5位は欧州特許庁(18万8778件)。地域別シェアではアジアが67.6%と圧倒的多数を占めています。中国は前年比5.5%増、韓国は2.5%増。なお、特許庁が昨年7月に発行した「特許行政年次報告書2022年版」によれば、2021年に日本国特許庁が受け付けた特許出願の数は289,200件で、前年を728件上回り、数年来続いていた減少傾向が止まっています。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2022/document/index/0101.pdf
●PCT国際出願関係手数料改定について(特許庁)
2023年1月1日より、国際出願関係手数料が改定されます。2023年1月以降に本手数料の納付をする場合は、手数料の額及び適用関係には注意が必要です。
詳細は特許庁HPをご参照ください。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/pct_tesuukaitei.html